2010年5月19日水曜日

グースにあった日











「グースに会った日」(キャリ・ベスト/文 ホリー・ミード/絵 まえざわあきえ/訳 福音館書店 2003)

春になると、沼にグースの群がやってきます。グースは人間と変わりありません。おじいさんやおばあさん、おじさんおばさん、若いグース。みんな黒と白と灰色と茶色の羽をもち、地面にすわりこんだり、眠ったり、水を飲んだりと好きなことをしています。犬のヘンリーが走っていってグースを追い散らすと、一羽だけ飛び立たないグースがいました。そのグースは片足がちぎれていました。

女の子の〈わたし〉が語る絵本です。〈わたし〉は1本足のグースが気になってしかたありません。うちで飼おうといいますが、パパとママに、「野生のグースは、弱くても、自分で生きていくことをおぼえなくてはいけないの」と、いわれてしまいます。そのうち秋になり、群はいなくなりますが、〈わたし〉は1本足のグースのことが忘れられません。そして、春がやってきて──。

絵は、切り絵による、立体感のあるもの。最後の1行がぐっとくる、感動絵本です。小学校中学年向き。

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