2010年5月14日金曜日

おおきなかぬー









「おおきなかぬー」(大塚勇三/再話 土方久功/画 福音館書店 2005)

遠い南の島にラタという若者がいました。あるとき、ラタのお父さんが亡くなってしまいました。そこで、ラタはお父さんの亡きがらをはこぶために、だれもみたことがないような立派なカヌーをつくろうと思いました。ラタは森へいき、どの木よりもずっと高くまっすぐにそびえ立つ木をみつけると、その木を石斧で切り倒しました。

ところが、その晩、一番大事な木が切られたことに腹を立てた森の精たちは、森じゅうの生きものをあつめて、木を元通りに立て直します。以下はくり返しです。倒しても、倒しても木が元にもどるのは森の精のしわざにちがいないと思い、夜通し見張りをしたラタは、何百何千という鳥や虫たちが木を元通りにするさまを目の当たりにします。

木を元通りにするとき鳥たちがうたう歌は、こんな歌です。
《こっぱよ きくずよ とんでこい
 どんどん くっつけ しっかり くっつけ
 すばらしい きよ さあ たちあがれ》

森のなかで、鳥たちの合唱が聞こえてくるような絵本です。小学校低学年向き。

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