
「こすずめのぼうけん」(ルース・エインワース/作 堀内誠一/絵 石井桃子/訳 福音館書店 1977)
あるところに、一羽の子スズメがいました。子スズメが大きくなると、お母さんは飛びかたを教えました。「石垣の上までいったら、きょうのお稽古はそれでおしまい」。さっと前に飛び立つと、驚いたことに、子スズメはちゃんと空中に浮かんでいました。「ぼく、これならあの石垣のてっぺんよりも、もっと遠くへ飛んでいける」と、子スズメは石垣の先へ先へと飛んでいきました。
そのうち、くたびれてしまった子スズメは、ひと休みしようとカラスの巣を訪れます。でも、カラスの鳴き声がだせないから仲間じゃないと、巣に入れてもらえません。以下はくり返しです。子スズメはハトやフクロウやカモの巣を訪ねますが、いずれも断られてしまいます──。
堀内誠一さんの絵が、大変素晴らしいです。子スズメが可愛らしいのはもちろん、空を飛んでいるところなど、いかにも感じがでています。また、だんだんと日が暮れていく描写もみごとです。小学校低学年向き。
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