2010年5月12日水曜日

でもすきだよ、おばあちゃん












「でもすきだよ、おばあちゃん」(スー・ローソン/文 キャロライン・マガール/絵 柳田邦男/訳 講談社 2006)

ソフィーのおばあちゃんは、ショートケーキをつくるのが上手です。でも、ぼくのおばあちゃんはケーキをつくれません。マイケルのおばあちゃんは、ピエロの鼻みたいに真っ赤な口紅を塗っています。でも、ぼくのおばあちゃんは、自分で口紅を塗ることはできません──。

右のページに、よそのおばあちゃんについて描かれ、ページをめくると、「でも、ぼくのおばあちゃんは…できない」と続く構成です。〈ぼく〉の描写だけを追うと、ベッドから起き上がり、外にでて、花を摘んで、歩いていくといった、一連の姿がえがかれます。

絵は、達者な筆づかいで描かれた水彩画。おばあちゃんたちの顔が大変魅力的です。また、〈ぼく〉の歩いている後ろ姿が印象に残ります。重いテーマをよく昇華した一冊です。小学校高学年向き。

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