「オオカミと石のスープ」(アナイス・ヴォージュラード/作・絵 平岡敦/訳 徳間書店 2001)
ある冬の夜、年をとったオオカミがメンドリの家のドアをたたいていいました。「すこし暖まらせてください。そうしたら、石のスープをつくってあげましょう」。メンドリが家に入れてあげると、オオカミはさっそく石のスープをつくりはじめました。スープにはいつもセロリを少し入れるのよとメンドリがいうと、なるほど、それはおいしくなりそうだとオオカミはこたえました。すると、ブタがやってきました。メンドリから石のスープの話を聞くと、だったらズッキーニも入れたらどうかなと、ブタはいいました。
このあと、メンドリのうちにどんどん動物たちがやってきて、スープの具はどんどん増えていきます。「せかい1おいしいスープ」や「しあわせの石のスープ」と同趣向の話ですが、主役が年をとったオオカミというところがちがいます。石のスープという騙りの常習犯であるらしいオオカミが、哀感をもってえがかれているところがユニークです。昔話を新しい視点でアレンジした一冊です。子どもより大人が楽しむ絵本かもしれません。小学校低学年向き。
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