2009年12月3日木曜日

12のつきのおくりもの












「12のつきのおくりもの」(内田莉莎子/再話 丸木俊/絵 福音館書店 2006)

昔、あるところに、夫を亡くして2人の娘と暮らしているやもめがいました。姉は実の娘であるホレーナ、妹は継子であるマルーシカといいました。やもめはいつもホレーナばかり可愛がって、マルーシカにはつらく当たりました。ホレーナは一日中遊んで暮らしているのに、マルーシカは朝から晩まではたらかなくてはなりません。でも、はたらけばはたらくほどマルーシカは美しい娘になっていき、遊び暮らしているホレーナはどんどんみにくい娘になっていきました。そこで、やもめとホレーナはマルーシカを追いだそうと相談し、ある寒い冬の日、森へいってスミレをとってくるようにとマルーシカにいいつけました。

冬にスミレが咲いているはずはありません。マルーシカは凍えて、いまにも倒れそうになりますが、そのとき大きなたき火をみつけます。それは12の月の精たちがしているたき火でした。マルーシカは3月の精のおかげで、スミレを手に入れることができます。丸木俊さんの描く炎は印象的で、とてもあたたかそうです。また、12の月の力であらわれる緑はじつに鮮やか。物語は、後半くり返しになりますが、そのときの物語のはしょりかたが素晴らしいです。現在品切れ。小学校低学年向き。

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