2009年12月4日金曜日

ロージーちゃんのひみつ












「ロージーちゃんのひみつ」(モーリス=センダック/作 なかむらたえこ/訳 偕成社 1983)

ロージーの家の玄関のドアに札がかかっています。《ひみつを おしえてほしい ひとは この とを 三ど たたくこと》。キャシーが3どドアを叩くと、ロージーがあらわれました。「ひみつってなあに?」とキャシーがたずねると、ロージーがこたえました。「あたしね、もうロージーじゃないの。アリンダっていうすてきな歌手よ。もうじきはじまるミュージカルにでるの。場所はうちの裏庭よ」
「あたしもだれかになっていい?」
「じゃあ、チャチャルーになるといいわ。アラビアの踊り子よ」
さあ、ショーがはじまります。

ショーの演目は、ナイトガウンをはおり、頭にタオルを巻いたチャチャルーの(すぐ終わってしまう)歌と踊り。それから、大きな羽根飾りのついた帽子に長いドレスを着たアリンダの歌です。ところが、アリンダの歌は、消防士の格好をしたレニーの珍入により、すっかりジャマされてしまいます。最後、椅子の上に立ち、ひとりでうたうロージーの後ろ姿がなんともいえません。話はこれで終わりではなく、まだ続きます。子どもの遊びの情景をみごとにすくいとった読物絵本です。小学校中学年向き。

余談。たまたま手元に原書があったので日本語版とくらべてみたのですが、レイアウトが多少ちがっていました。日本語版には絵のないページがあるのですが、原書にそのようなページはありません。日本語にすると言葉数が増えてしまうので、このような措置になったのでしょうか。できれば、レイアウトは原書のままのほうがよかったように思います。

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