「ひとくい巨人アビヨーヨー」(ピート・シーガー/文 マイケル・ヘイズ/絵 木島始/訳 岩波書店 1987)
昔、ウクレレを弾く小さな男の子がいました。町中でビリリンビリンとやるので、大人にうるさがられていました。その子のお父さんは魔術師で、なんでも消すことができる魔法の杖をもっていました。でも、その杖であんまりなんでも消してしまうので、ついにお父さんと男の子は村八分にされてしまいました。ところで、この町では昔から、アビヨーヨーという名前の大男がいて、人間をぱくぱく食べるんだよと、年寄りが子どもたちに話して聞かせていました。すると、ある朝、お日様のまえに大きな人影があらわれました。
人影はもちろんアビーヨーヨー。男の子とお父さんは、歌と魔法の杖でアビヨーヨーをやっつけ、村人から喝采をうけます。男の子がうたう場面には、楽譜もついています。巻末の解説によれば、ある南アフリカの昔話からヒントを得たピート・シーガーは、この物語をつくり、自分の子どもたちに語り聞かせていたそうです(レコードも出ているよう)。村人の人種や服装がいろいろであるところに、作者の思想が垣間みえそうです。小学校低学年向き。
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