「ちいさなお城」(A・トルストイ/再話 E・ラチョフ/絵 宮川やすえ/訳 岩崎書店 1982)
「ちいさなお城」 お百姓が落としたつぼに、はえのぶーんぶんがやってきました。「だれのおしろ? おしろにだれかすんでるの」。はえはつぼに飛びこんで暮らしはじめました。つぎに、蚊のぴいぴいが飛んできてたずねました。「だれのおしろ? おしろにだれかすんでるの?」 はえと蚊は一緒に暮らしはじめました。つぎにやってきたのは…。
つぼにいろんな動物がやってきては、一緒に暮らしはじめるという、おなじくラチョフが絵を描いたウクライナ民話絵本「てぶくろ」と同系統の絵本です。はえと蚊のつぎは、ネズミ、カエル、ウサギ、キツネ、オオカミ、クマがやってきます。絵本としての出来映えは「てぶくろ」とくらべていまひとつ。絵だけのページがあったり、文章だけのページがあったりして、いささか読みにくいです。巻末のあとがきによると、ロシアでは、「てぶくろ」より「ちいさなお城」のほうがよく知られているのだそう。また、「てぶくろ」のつもりで読んでいると、ラストが乱暴でびっくりします。現在絶版。小学校中学年向け。
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