2009年6月18日木曜日

おひゃくしょうとえんまさま

「おひゃくしょうとえんまさま」(君島久子/再話 佐藤忠良/絵 「こどものとも」162号 福音館書店 1969)

エンマさまのお祭りに、村のひとびとはいろんなお供えものをもってやってきました。ところが、欲張りなエンマさまは、手下の小鬼に、「だれがいちばんお供えものをけちけちしていたか」とたずねました。「いつもここを通る百姓のやつですよ」と小鬼がこたえると、エンマさまは大いに怒りました。そこで、小鬼は百姓の稲が実らないよう、頭は細く、根っこは太くなる魔法をかけることにしました。ところが、ふたりの話は、堂守のおじいさんに聞かれてしまっていたのです。じいさんはこの話を百姓に教えました。「それならさといもをつくろう」と、百姓はさといもを植えました。

中国の民話です。以下はくり返し。百姓は、堂守のおじいさんに魔法の内容を教えてもらっては先手を打ち、ついにはお金持ちになります。真ん中が大きくなる魔法をかけられたとき、百姓はトウモロコシを植えるのですが、中国の民話にトウモロコシがでてくるのがすこし不思議な感じがします。この作品も、雑誌で出版されたきり本にはなっていません。童心社から出版された紙芝居がありますが、絵を描いたひとはちがいます。

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