「ラチとライオン」(マレーク・ベロニカ/作 とくながやすもと/訳 福音館書店 1965)
ラチは世界中で一番弱虫な男の子でした。暗い部屋には入れず、友だちとも遊べません。ライオンの絵が好きなラチは、こんなライオンがいたらなんにもこわくないんだけどなあと思っていました。すると、ある朝、ベッドのそばに、小さな赤いライオンがあらわれました。
小さな赤いライオンをひと目みるなり、ラチは、「こんなちっぽけなライオンじゃ、なんの役にも立たないじゃないか」と笑いだします。怒ったライオンは、片手で椅子をもち上げたり、ラチを床に押し倒したりしたあとこういいます。「どうだい、僕は強いライオンだろう。きみも強くなりたいなら、ぼくが強くしてやるよ」
気の弱い男の子が、小さな赤いライオンのおかげで強くなるというお話。ラチとライオンの関係が胸に迫ります。また、小さな赤いライオンが、なんともいえず可愛らしいです。絵は、背景がほとんどないシンプルなもの。お話会の定番絵本のひとつです。小さい絵本なので、少人数のお話会にむいています。生活環境が変わるときなどにも読むといいかもしれません。勇気が得られることうけあいです。4歳から。
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