2013年4月4日木曜日

小さいりょうしさん















「小さいりょうしさん」(マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 ダーロフ・イプカー/絵 やましたはるお/訳 BL出版 2012)

ある港に、大きい漁師さんと、小さい漁師さんがいました。大きい漁師さんは、大きい船に、大きい水夫たちを乗せ、大きな道具を積みこんで、海に乗りだしました。小さい漁師さんは、小さい水夫たちを、小さい船に乗せ、小さな道具を積みこんで、海に乗りだしました。

大きい波や小さい波をこえて、2隻の船は進んでいきます。大きい漁師さんは、大きい重りをつけたロープをたらし、海の深さをしらべ、大きい網を海に入れます。小さい漁師さんも、小さな重りを投げ入れ、ぴったりの深さの場所で、小さい網を海に入れます──。

大きい漁師さんと、小さい漁師さんの対比が楽しい一冊です。絵は、古典的な絵本らしく(原書の初版は1945年)、少ない色数で、たくみに各場面を表現しています。このあと、大きい漁師さんと小さい漁師さんは、一週間魚をとり続け、どちらも船を魚でいっぱいにして、港へと帰ります。小さな漁師のセリフに、小さな活字がつかわれているのが、ちょっと面白いところです。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿