2013年4月17日水曜日
たにし長者
「たにし長者」(岩崎京子/文 長野ヒデ子/絵 教育画劇 1996)
あるところに、はたらき者の夫婦がいました。子どもがいなかったので、「たとえタニシみててえに、ちっこい子でもええ、どうかさずけてけろ」と、水神さまにお願いをしました。すると、「よし、そこに転がっているタニシをやろう」と、水神さまの声がして、目を開けると、ひざの上にタニシが転がっていました。
水神さま申し子のタニシを、夫婦は大切に育てます。でも、10年たっても、20年たってもタニシは大きくなりませんし、口もききません。ある日、お父つぁんが年貢の米をウマにつけながら、年をとったことを嘆いていると、突然どこからか声がします。「おらが、ウマを引いていくだよ」――。
昔話、「たにし長者」をもとにした絵本です。文章はタテ書き。絵は、太い描線の柔らか味のあるもの。さて、このあとタニシはウマを引き、長者どんの家に米をはこびます。長者どんに気に入られたタニシは、下の娘をヨメもらい、おかげで家は明るくなり、ヨメはムコ殿を帯にはさんでよくはたらいて――と、お話は続きます。小学校低学年向き。
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