2013年2月6日水曜日

かかしのペーター












「かかしのペーター」(バーナデット/作 ささきたづこ/訳 西村書店 1989)

夏のあいだ、ペーターは小麦畑の真ん中に立って、畑の見張りをしていました。秋になり、小麦が刈りとられると、ペーターの仕事は終わりました。でも、お百姓の子どもたちは、みんなペーターのことが大好きでした。お姉さんのラウラは、ペーターの帽子にきれいな羽根をさしてくれましたし、妹のカトリンは、赤いスカーフを首に巻いてくれました。弟のフルーリンは、ペーターに手袋をはめてくれました。

冬になると、畑に遊びにきていた子どもたちもこなくなります。ペーターの羽根は、カラスにを引っこ抜かれてしまいます。子どもたちが遊びにきてくれないんだと、やってきたウサギにペーターがいうと、「それじゃ、お百姓の家に遊びにいこうよ」と、ウサギはこたえます。でも、ペーターは歩けません──。

バーナーデット・ワッツは「ヨリンデとヨリンゲル」などの作者。おそらく、水彩と色鉛筆でえがかれたと思われる、ていねいな絵が魅力的です。このあと、雨が降り、ペーターはとうとう地面に倒れてしまいます。しかし、じき春がきて、ペーターは子どもたちにみつけてもらいます。物語は本を閉じたあと、裏表紙にまでつながっていきます。小学校低学年向き。

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