2013年2月8日金曜日

南の国へおもちゃの旅










「南の国へおもちゃの旅」(ハンス・ウルリッヒ・シュテーガー/作 ささきたづこ/訳 童話館出版 1996)

クマのぬいぐるみのテオドールは、年をとって、片方の目と耳がなくなってしまいました。代わりに帽子をかぶせてもらいましたが、ある日、とうとうゴミ箱に捨てられてしまいました。トラックではこばれたゴミ捨て場で、テオドールはガスパールという木馬と出会いました。2人は、テオドールが夢にみた、白い塔のある南の海辺の小さな村をめざして、旅をすることにしました。

海辺の村の名前はトリピティといいます。2人が南にむかって歩いていくと、途中、木のウシに出会います。それから、自動車にはねられて、首の鈴をなくしたという人形のフローラも一緒になり、皆でトリピティをめざします。

絵は、線画に水彩で着色された活気のあるもの。横長の大きな画面を見事につかいこなしています。このあと、レージーという人形や、おもちゃのキツツキ、トラクターと運転手のミーシャ、マトリョーシュカ人形のバブーシュカ、踊り子人形や、アクロバット人形のアリ、こわれた楽器にジプシー人形のサーシャが加わって、一行は南の村にむかいます。文章は〈ぼく〉、テオドールの1人称。旅情にあふれた楽しい読物絵本です。小学校中学年向き。

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