2013年2月12日火曜日

イワーシェチカと白い鳥












「イワーシェチカと白い鳥」(I.カルナウーホワ/再話 松谷さやか/訳 M.ミトゥーリチ/絵 福音館書店)

昔あるところに、年をとったお父さんとお母さんと、イワーシェチカという小さな息子が暮らしていました。ある日のこと、イワーシェチカは「池へ魚釣りにいかせてよ。舟と舟をこぐかいをつくってよ」と、お父さんとお母さんにいいました。「おまえはまだ小さいから魚釣りなんてとても無理だ」と、お父さんはいいましたが、息子はいうことをききません。そこで、お父さんは木をけずって舟とかいをつくってやり、お母さんは白いシャツを着せて、腰に赤い帯をしめてやりました。

さて、イワーシェチカは舟に乗り、魚釣りをはじめます。お母さんやお父さんが呼ぶと、岸にもどり、釣った魚を渡し、ごちそうを食べ、汚れたシャツをとり替えて、また魚釣りにもどります──。

ロシアの昔話をもとにした絵本です。絵を描いたミトゥーリチは、「なぞなぞ100このほん」をえがいたひと。本書の絵も、透明感あふれる素晴らしいものです。物語はこのあと、ロシアの昔話によくでてくる、魔女のバーバ・ヤガーが登場します。お母さんの真似をしたものの、しゃがれ声のためイワーシェチカに気づかれてしまったバーバ・ヤガーは、鍛冶屋にやさしい声がでるようにしてもらいます。そして、まんまとイワーシェチカをつかまえ、娘のアリョンカにペチカでこんがり焼くようにいうのですが──。お話はこのあとも二転三転。楽しい読物絵本です。小学校中学年向き。

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