2010年4月22日木曜日

まっくろけのまよなかネコよおはいり












「まっくろけのまよなかネコよおはいり」(J.ワグナー/文 R.ブルックス/絵 大岡信/訳 岩波書店 1978)

ローズおばあさんの旦那さんは、ずいぶん前に亡くなりました。いまは、イヌのジョン・ブラウンと暮らしています。ある晩、ローズが窓から外をのぞくと、なにかが庭でうごくのが見えました。それは黒いネコでした。でも、ジョン・ブラウンは、「ネコなんか、影もかたちもありゃしないよ」といいました。その晩、ローズがぐっすり眠ってしまうと、ジョン・ブラウンは外にでていき、黒ネコにいいました。「おまえなんかいらないんだよ。おれたちはふたりだけで充分なんだ。ローズおばあちゃんとおれはな」

ジョン・ブラウンはことあるごとに、黒ネコを邪険にするのですが、ある朝、ローズおばあさんが起きてこないのをみて、考えて考えて、考えを改めます。

端正な絵と文章の絵本です。イヌがしゃべるような絵本じゃないと思っていると、途中からジョン・ブラウンがしゃべりだすので驚きます。読後、深い余韻の残る作品です。小学校中学年向き。

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