2012年11月15日木曜日

ケムエルとノアのはこぶね











「ケムエルとノアのはこぶね」(ディック・ブルーナ/作 まつおかきょうこ/訳 福音館書店 1999)

昔、地球はそれはそれは美しいところでした。太陽は輝き、鳥は飛び、いろんな色のチョウが舞い、地面は花でいっぱいでした。毛虫のケムエルも、木の下でチョウになる日を夢みていました。

ところが、地上では人間たちが争いばかりしています。そこで、神さまは平和に暮らしているノアの家族に、箱舟をつくるように命じました──。

「うさこちゃん」シリーズで名高い、ブルーナによる、ノアの箱舟伝説をもとにした絵本です。ノアの箱舟をテーマにしても、ブルーナの簡潔で清潔なスタイルは変わりません。このあと、ノアは3人の息子と力をあわせ、大きな船をつくり、神さまに命じられたように、ひとつがいずつ動物たちを船に乗せます。ノアの家族も、毛虫のケムエルとそのガールフレンドも乗りこむと、大雨が降ってきます──。毛虫を登場させたことが、この作品の面白さのひとつです。また、ブルーナはじつにブルーナらしく、大雨を表現しています。小学校低学年向き。

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