「おじさんのかさ」(佐野洋子/作 講談社 1992)
おじいさんは、とても立派なカサをもっていました。でかけるときは、いつももち歩きました。カサが濡れるので、少しくらいの雨は濡れたまま歩きました。たくさん雨が降ると、雨宿りして、雨がやむのを待ちました。
おじさんは、雨のなかを急ぐときは、カサが濡れないようにしっかり抱いて走ります。雨がやまないときは、知らないひとのカサに入れてもらいます。そんなおじさんでしたが、ある日、公園で休んでいると雨が降ってきて──。
絵は、全体に青っぽい水彩です。このあと、男の子がカサに入れてと、おじさんのところにやってくるのですが、おじさんは聞こえないふりをします。すると、男の子は友だちの、女の子のカサに入れてもらい、2人は「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン」と、うたいながら帰っていきます。それをみていたおじさんは、「あめが ふったら ポンポロロン。──ほんとかなあ」と、カサをさす決心をします。おじさんの、子どもでも可笑しくなるような、子どもっぽい振る舞いが、とても楽しい一冊です。小学校低学年向き。
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