2012年9月24日月曜日

マウルスと三びきのヤギ










「マウルスと三びきのヤギ」(アロワ・カリジェ/作 大塚勇三/訳 岩波書店 1975)

夏のあいだだけ、シチューナさんの家に泊まっているヤギ飼いのマウルスは、毎朝、村のヤギたちをあずかって、山の牧場に連れていきました。シチューナさんの飼っているシロ、アカ、チビの3匹のヤギたちは、マウルスのお気に入りでした。なかでもチビが特別好きで、特別すてきな鈴を首にぶら下げてやりました。その鈴は、本当に澄み切った音で鳴りひびき、チリンチリン!と鳴る音は、ずっと遠くまで聞こえました。

さて、きょうもマウルスは村のヤギをあつめて、山の牧場に連れていきます。しばらくして、ヤギの数をかぞえると、シロ、アカ、チビの3匹がいなくなっています。マウルスは、イヌのチロを連れて3匹をさがしにいくのですが──。

「ウルスリのすず」などで高名な、スイスの絵本作家カリジェによる絵本です。右ページにタテ書きの文章、左ページに絵という構成で、絵は水彩でえがかれています。このあと、雨が降りだした山を、マウルスは3匹をさがして駆けまわります。マウルスがぶじ家に帰り、ベッドに入って夢をみるまで、しっかりとした語り口でえがかれている傑作読物絵本です。小学校中学年向き。

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