2012年9月15日土曜日

とべ!ちいさいプロペラき









「とべ!ちいさいプロペラき」(小風さち文 山本忠敬/絵 福音館書店 2000)

ある飛行場の格納庫に、はじめて空に飛び立つ日を待つ小さなプロペラ機がいました。ある日のこと、格納庫のドアがいっぱいに開き、遠い外国からたくさんのお客さんを乗せてきた、大きなジェット機が入ってきました。「みてみろよ、あのでっかいエンジンを。おまえがテントウムシにみえちまうな」と、パイロットのおじさんがいうと、プロペラ機は恥ずかしくてたまらなくなりました。

夜、プロペラ機とジェット機は話をします。「あなたはなんて堂どうとしているんでしょう」と、プロペラ機がいうと、ジェット機はこういいます。「元気をおだし、プロペラ君。広い空では、ぼくらの大きさのことなど忘れてしまうよ」

乗りもの絵本の第一人者、山本忠敬さんによる絵本です。「のろまなローラー」はデザイン風にえがかれていましたが、本書はより写実風にえがかれています。それでも、必要なことだけをえがき、画面がぜんたいに澄んでいる作風は変わりません。このあと、ジェット機が飛んでいったあと、いよいよプロペラ機が飛び立ちます。プロペラ機が離陸する場面が、思わず手に汗を握ります。小学校低学年向き。

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