2010年7月20日火曜日

つぐみのひげの王さま












「つぐみのひげの王さま」(モーリス・センダック/絵 矢川澄子/訳 評論社 1979)

「つぐみのひげの王さま」の絵本は、ホフマンのものが一番有名(だと思う)ですが、センダックも絵本にしています。センダック版で面白いのは、2人の子どもが「つぐみのひげの王さま」というお芝居を演じるという趣向で、絵本がつくられていることです。ホフマン版では、お姫さまへの仕打ちが少々痛々しく感じられるのですが、センダックによる本書では、この演劇的趣向のため、痛々しさをまぬがれています。

また、矢川澄子さんの訳文も、絵に引っ張られてかユーモラスな味わいのものになっています。虚実のあいだに遊ぶのが好きな、センダックならではの絵本化といえるでしょう。小学校低学年向き。

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