2010年7月14日水曜日

おいしそうなバレエ












「おいしそうなバレエ」(ジェイムズ・マーシャル/文 モーリス・センダック/絵 さくまゆみこ/訳 徳間書店 2003)

ある冬の昼下がり、やせっぽっちのさえないオオカミが知らない通りに迷いこみました。おいしそうな匂いに引かれてたどり着いたのは劇場。看板には大きな文字で、「白ブタのみずうみ」と書かれていました。

うまく劇場にもぐりこんだオオカミは、ちょうどはじまった舞台を見物します。踊りだしたブタたちは想像以上においしそう。ところが、そのうちオオカミは、「この踊りには意味があるらしいな。どうやら、だれかが結婚するみたいだぞ」と気がついて──。

うっかり、バレエに夢中になってしまったオオカミのお話。ブタのバレエをオオカミが見物するという着想が絶妙です。センダックの絵は、細かいところまで遊びがあり、見どころが満載。オオカミが住むアパートの、大家のおばさんまで、じつにいい味をだしています。

訳者あとがきによれば、原作者のジェイムズ・マーシャルとセンダックは友人だったそう。マーシャルが1992年に亡くなったとき、残された文章をみたセンダックが、自分で絵をつけて出版したのが本書だということです。小学校中学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿