2013年6月24日月曜日

化石をみつけた少女















「化石をみつけた少女」(キャサリン・ブライトン/作 せなあいこ/訳 評論社 2001)

1810年、イギリスのドーセット州、ライム・リージスの海岸で、メアリーと弟のジョーは、きょうも母さんの店で売る“掘りだしもの”をさがしていました。父さんが亡くなってから、2人はこうして家を助けていました。ある日、嵐がきて、大きな波が窓を破って流れこみ、店の品物はみんな流されてしまいました。「大丈夫。ジョーとあたしで、またすぐにいいものをたくさんみつけてくるから」と、メアリーは母さんをなぐさめました。

店は、丘の上に住むアークライトさんが修理にきてくれることになります。メアリーとジョーは海岸にでかけ、崖で大きな化石をみつけます。2人で腕を伸ばして計ると、6メートルくらいあります。どうやったら、このワニみたいな化石を崖からとりだせるのか。メアリーはアークライトさんに足場を組んでもらうことにします──。

副題は「メアリー・アニング物語」。実在した、メアリー・アニングのエピソードをもとにした作品です。コマ割りされた、マンガ風の絵本で、絵は明快な水彩。メアリーは、なにごとにも動じない女の子としてえがかれています。さて、このあと、アークライトさんに足場を組んでもらったメアリーは、大きな化石を掘りだします。翌朝、店には化石をみにきたひとたちの長い行列ができています。メアリーとジョーは、ひとりにつき1ペニーを受けとり、ひさしぶりにあたたかい食事ができるだけのお金をもうけます。その夜、領主のヘンリー・ヘンレイ卿がやってきて、2人にこの化石はワニではないと告げます。「これは、科学者たちがイクチオサウルスと呼ぶ生きものの化石だよ。きみたちはすごい発見をしたんだ」──。カバー袖には、日本の子どもたちがみつけた化石についても記されています。小学校高学年向き。

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