2013年6月12日水曜日

機関車トーマス














「機関車トーマス」(ウィルバート・オードリー/作 レジナルド・ダルビー/絵 桑原三郎/訳 清水周裕/訳 ポプラ社 2005)

トーマスは、6つの車輪と、ずっぐりむっくりのドームをつけた小さな機関車でした。遠くへいく大きな機関車のために、客車をそろえたり、お客の降りた空っぽの客車を引っ張ったりするのが、トーマスの仕事でした。いたずら好きのトーマスは、よくはたらくのは自分だけだと思っていたので、待避線で居眠りしている大きな機関車に会うと、そっと近づいては、「ピーピーピー、ピッピー。怠け者、起きろ」と、びっくりさせて喜びました。

さて、ある朝、釜の火が消えてしまって、思うように蒸気の上がらないトーマスは、あくびをしながら客車をつないで駅に引っ張っていきます。もう出発の時刻がきているので、大きな機関車のゴードンは、大急ぎで客車をつなぎ、駅を出発します。ところが、あわてていたゴードンはトーマスを切りはなすのを忘れていて――。

「汽車のえほん」シリーズの一冊です。「機関車トーマス」シリーズといったほうが通りがいいまもしれません。文章を読むのがまだおぼつかない子(特に男の子)も、一所懸命見入っている姿をよくみかけます。

本書はシリーズ2巻目。カバー袖の文章によれば、1943年、病気になった息子のクリフォードのために、牧師のウィルバート・オードリーが、機関車のお話をつくって聞かせたのがそのはじまりとのことです。本書には、「トーマスとゴードン」「トーマスの列車」「トーマスと貨車」「トーマスときゅうえん列車」の4つのお話が収録されています。細部までよくえがかれた絵と、お調子者で失敗ばかりするトーマスの活躍が楽しい一冊です。幼児向き。

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