2013年6月27日木曜日

クマくんのふしぎなエンピツ















「クマくんのふしぎなエンピツ」(アンソニー・ブラウン/作 田村隆一/訳 評論社 1993)

ある日、ちびクマくんはお散歩にでかけました。そこに、2人のハンターがあらわれました。ハンターは、ちびクマくんを捕まえようと飛びかかりましたが、ちびクマくんがエンピツでひもを描くと、ハンターはそのひもに引っかかって転んでしまいました。

ハンターたちは、投げ縄や鉄砲や落とし穴など、さまざまな方法でちびクマくんを捕まえようとします。でも、ちびクマくんはそのたびに、描いたことが本当になるエンピツをつかって、危ういところを脱します。

描いたことが本当になるという、「はろるどとむらさきのくれよん」などと同趣向の絵本です。ちびクマくんは、さっと絵を描いて、ハンターたちの手から逃れます。絵は、デフォルメのきいた、イラスト風のもの。背景がやけにシュールです。黙もくと、でも鮮やかに危機を乗り越えていく、ちびクマくんの姿がなんともユーモラスです。小学校低学年向き。

本書は、「くまさんのおたすけえんぴつ」(さくまゆみこ/訳 BL出版 2012)のタイトルでも出版されています。冒頭の訳文をならべてみましょう。

「クマくんのふしぎなエンピツ」

《ある日 ちびクマくんは お散歩。
そこに 二人のハンター。
ちびクマくん 見つけられちゃった。
あぶなーい! ちびクマくん。
アッというまに ちびクマくん 白い紐を描きだす。
やった ちびクマくん!》

「くまさんのおたすけえんぴつ」

《あるひ、くまさんは さんぽに でかけました。
でも、かりを していた ハンターたちが
くまさんを みつけてしまいました。
あっ、たいへん! くまさん きをつけて!
くまさんは いそいで、まほうの えんぴつを つかいます。
やったね、くまさん!》

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