2010年8月25日水曜日

まちねずみジョニーのおはなし












「まちねずみジョニーのおはなし」(ビアトリクス・ポター/作 いしいももこ/訳 福音館書店 2002)

田舎のねずみチミーは、ある日、町へはこばれる野菜のかごに入りこみ、豆をいくつか食べているうちに、ぐっすり眠りこんでしまいました。気がつくと、かごは馬車にのせられ、何キロもはなれた町の一軒の家にはこばれていきました。怖くて怖くて死にそうだったチミーは、コックさんが野菜かごを開けたとき、ぴょんとかごから飛びだして、壁の小さな穴に逃げこみました。そして、ネズミたちがパーティーをしているテーブルの真ん中に、転がり落ちてしまいました。

ピーターラビットの絵本の一冊です。「まちのねずみといなかのねずみ」を、作者がじつに作者らしくアレンジしています。とくに、野菜かごをつかって、田舎と町をいききするアイデアが秀逸です。話の最後には、イソップ寓話のように教訓(というか感想)がそえられています。引用してみましょう。

「あるひとは あるばしょがすきで
 またべつなひとは べつなばしょがすきです。
 わたしは どうかといいますと
 チミーとおなじように いなかにすむほうがすきです。」

小学校中学年向き。

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