2010年8月4日水曜日

ダーウィン












「ダーウィン」(アリス・B.マクギンティ/文 メアリー・アゼアリアン/絵 千葉茂樹/訳 BL出版 2009)

チャールズ・ダーウィンは、幼いころから石やコインをあつめるのが大好きでした。兄のエラズマスがする化学実験を手伝うのも好きで、あやしげな気体や化合物ばかりつくっていたので、「ガス」というあだ名がつけられました。実験ばかりしているチャールズは成績が悪く、16歳のとき父親に学校をやめさせられ、医者になるためにエジンバラ大学にいかされました。でも、チャールズにとっては医学の勉強も退屈でした。2年後、父親にまたも学校をやめさせられたチャールズは、こんどはケンブリッジ大学で、牧師になるための勉強をすることになりました。牧師の勉強も、チャールズにはやっぱり退屈でした。が、この学校で植物学のヘンズロー教授と親しくなり、よく一緒に長い散歩をするようになりました。

さて、父親を喜ばせようと猛勉強をし、ぶじ大学を卒業したチャールズに、思いがけないチャンスが訪れます。ヘンズロー教授から、南アメリカを探検し、世界を一周してもどってくる航海に参加しないかという手紙が届いたのです。チャールズは、反対する父親を説得して、ビーグル号に乗りこみます。

チャールズ・ダーウィンについての伝記絵本です。副題は、「日記と手紙にかくされた偉大な科学者の努力と夢」。ダーウィンの生涯を述べる文章あいまに、メモや手紙が挿入されています。探検から帰ったダーウィンは、教会の反発を恐れて、秘密のノートに自分の考えを書いていましたが、ついに1859年、「種の起源」で進化論の考えを発表します。

絵は色合いの美しい版画。ダーウィンの生涯が簡潔にえがかれた、優れた伝記絵本です。小学校高学年向き。

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