2010年8月3日火曜日

一わだけはんたいにあるいたら…












「一わだけはんたいにあるいたら…」(グンナル=ベーレフェルト/作 ビヤネール たみこ/訳 偕成社 1984)

昔、海のむこうの島に、あるき鳥が住んでいました。あるき鳥たちは不思議なことに、いつも列をつくり、同じほうを向いて、きちんと並んで歩いていました。ところが、ある日のこと、一羽のあるき鳥が反対のほうへ歩きだしました。

反対のほうに歩いたあるき鳥は、ほかのあるき鳥たちから、ののしられ、踏みつけられ、突っつかれ、脅され、怒鳴りつけられます。でも、もう一羽のあるき鳥がはばたいたとき、皆は大きな可能性に気がつきます。

線画だけのシンプルな絵本です。絵は、単純ですが子どもが描いたような躍動感があります。構成はじつに巧み。一羽が反対に歩いたことによって、皆が大きな自由に気がつくというストーリーが、過不足なく語られます。小学校低学年向き。

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