2011年5月11日水曜日

アベコベさん












「アベコベさん」(フランセスカ・サイモン/文 ケレン・ラドロー/絵 青山南/訳 文化出版局 1997)

昔、あるところにアベコベさんの家がありました。アベコベさんの家では、いつも起きるのは真夜中でした。みんなはパジャマに着がえて2階にいき、夕ごはんを食べました。フォークで食べたドッジはお母さんに怒られました。「それは髪をとかすものよ。手の指と足の指をつかいなさい」。

そんなアベコベさんのところに、ある日、おとなりのプラムさんが、「うちのルーシーをみてくれませんか」と留守番を頼みにやってきます。ひとの役に立つことが大好きなアベコベさんたちは、プラムさんの家にいき、部屋を片づけてあげたり(アベコベさん流に)、ルーシーにしつけ(ルーシー! 紙に絵を描いちゃだめ! 壁に描くのよ!)をしたりします──。

さかさに置いたテレビを逆立ちしてみる、アベコベさん一家のお話です。絵は厚塗りの水彩。アベコベさんたちは、やることはアベコベでも、心持ちはアベコベではありません。自分たちの流儀をひとに押しつけたりはせず、「いろんなひとがいるのよ」とすましているのが面白いところです。小学校低学年向き。

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