2012年7月6日金曜日

もこもこもこ











「もこもこもこ」(谷川俊太郎/作 元永定正/絵 文研出版 1977)

《しーん
 もこ
 もこもこ にょき
 もこもこもこ にょきにょき
 ぱく
 もくもぐ
 つん
 ぽろり》

文章は擬音だけ。なので、こうやって引用しても、なにがなんだかわかりません。絵は、どんな画材をつかっているのか。大変鮮やかで、めりはりがあります。まず、しーんとしている紫の地平線が、もこっとふくらみます。“もこ”はどんどん大きくなり、そのとなりににょきっと別のふくらみがあらわれます。“もこ”はもこもこ、“にょき”はにょきにょきと大きくなりますが、大きくなった“もこ”は、“にょき”をぱくっと食べてしまいます。すると、“もこ”のからだに、つんとこぶができ、それがぽろりと下に落ちます…。こう説明しても、やはり本書の面白さはつたわりません。世の中には、とにかく読まなければわからない本というのがあって、さしずめこの本はその筆頭といえるでしょう。1977に出版された、ロングセラーです。幼児向き。

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