2012年2月21日火曜日

ハスの花の精リアン












「ハスの花の精リアン」(チェンジャンホン/作 平岡敦/訳 徳間書店 2011)

昔、あるところに、ローおじさんという漁師がいました。ある嵐の日、おそろしく年をとったおばあさんがやってきて、向こう岸に乗せてほしいといいました。ローおじさんが快く舟をだすと、おばあさんは、「日が沈んだら湖の浅瀬に植えなさい」と、お礼にタネをくれました。ローおじさんがいわれたとおりタネを植えると、あっというまにハスの花が咲き、つぼみが開くと、なかから女の子があらわれました。

リアンが、ハスの花の芯でローおじさんの舟にさわると、古びた舟は赤い漆塗りの舟になります。食卓にはごちそうが並び、おじさんの着ている服は絹の服に変わります──。

「ウェン王子とトラ」などをえがいた作者による絵本です。絵は、水墨画の手法でえがかれたもの。リアンは、日暮れになると花のなかからでてきて、ローおじさんのかごを魚でいっぱいにし、真夜中になるとまた花にもどって眠ります。そして、おじさんはリアンがだしてくれた魚を村中のひとにあげていたのですが、その噂は王様の娘タンの耳に届いて…と物語は続きます。けなげな花の精リアンの活躍が楽しい一冊です。小学校中学年向き。

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