2012年2月8日水曜日

たいようとつきはなぜそらにあるの












「たいようとつきはなぜそらにあるの」(エルフィンストーン・ディレル/文 ブレア・レント/絵 きしのじゅんこ/訳 ほるぷ出版 1978)

昔、太陽と水はとても仲良しで、どちらも地面の上に住んでいました。2人のうち、訪ねていくのはいつも太陽のほうで、どういうわけか水は一度も太陽のうちにきたことがありませんでした。ある日、太陽がそのわけをたずねると、水はこうこたえました。「わたしのうちは家族がとても多いのです。みんなを連れていったら、あなたははみだしてしまいますよ」

太陽は奥さんの月と一緒に、大きなうちを建てて、水とその家族を招待します。水の先頭のひとりが、入っても大丈夫かとたずねるので、太陽が、「もちろんですとも、さあどうぞ」とこたえると、水は、魚や海の生きものを引きつれて、家のなかへ流れこんで──。

アフリカの民話をもとにした絵本です。えがかれた絵や風俗は、アフリカ的ではあっても、一種族、一国家のものをモデルにしたものではないと、巻末に断りが記されています。このあと、水と生きものたちは、どんどん家に入ってきて、太陽と月は屋根にのぼるはめになってしまい…とお話は続きます。太陽、月、水といった登場人物たちが、いかにもアフリカ風なイメージでえがかれているのが印象的な一冊です。1969年度コールデコット賞受賞作。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿