2011年6月9日木曜日

おぎょうぎのよいペンギンくん












「おぎょうぎのよいペンギンくん}(マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 H.A.レイ/絵 ふくもとゆみこ/訳 偕成社 2000)

アライグマの家でスープを飲んでいたペンギンくんは、お腹がいっぱいになったので、残りを床に捨ててしまいました。「ちょっと、よくそんなことができますね!」と、アライグマは怒りました。南極育ちのペンギンくんは、マナーというものを知らなかったのです。そこで、アライグマはペンギンくんに、マナーを教えることにしました。

まず、アライグマは「デザート早くう!」と叫ぶペンギンくんをたしなめます。「ひとになにかもってきてほしいときは、そんなふうにいうもんじゃありません。──こういうふうに頼むの。すみませんが、デザートお願いしますって」「ずいぶん長いのね。そんなに長ながいっってたら、いつまでたってもデザートこないよ」「こういわなけりゃ、デザートはますます遅くなります」「わかったよ、ちょっとでも早くでてくるんならいうよ。──お願いします」──。

絵を描いたH・A・レイは、「おさるのジョージ」シリーズや、「ポケットのないカンガルー」などで高名。また、マーガレット・ワイズ・ブラウンは「おやすみなさいおつきさま」や「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」などの作者です。このあと、外にでかけたアライグマとペンギンくんは、ダチョウに会ったり、完璧なマナーのもち主であるシャムネコさんのうちで夕食をごちそうになったりします。ペンギンくんとアライグマの、落語のようなかけあいが楽しい一冊です。小学校中学年向き。

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