2011年6月24日金曜日

ぼくのぱん わたしのぱん












「ぼくのぱん わたしのぱん」(神沢利子/文 林明子/絵 福音館書店 1992)

お姉ちゃんと、弟と、そのまた弟の3人が、パンをつくるお話です。

パンはなにからできるのかな? 小麦粉、塩、砂糖。それから、水と玉子とバター。そして、なくてはならないものにイーストがある。イーストは酵母というカビで、砂糖をうすく溶かしたお湯に入れると、入道雲のようにふくらんでくる。イーストが砂糖を食べて、さかんにガスをだすからだ。

イーストがふくらんだら、小麦粉と砂糖と塩と玉子と水をよくかき混ぜて、ふくらんだイーストと一緒に粉にそそいでこねる。最後にバターを入れてよくよくこねる。ボールに入れて、あたたかいところに置いてふくらませ、指でさしてガスを抜き、もう一度まるめて休ませる。

またふくらんだら、かたちをつくって、すぐ焼きたいところをもう少し待って、またふくらんだところに玉子の黄身をはけで塗ってやり(こうすると栗色に光る)オーブンへ──。

ページの上方に文章があり、その下に絵があるという構成です。文章も展開も大変リズミカル。絵は、たんなる文章の説明ではなく、ちゃんと3人の物語が感じられるようにえがかれています。ときどき、絵のなかに時計があらわれ、パンづくりにかかる時間を教えてくれます。それによると、材料を混ぜてから焼き上げるまで5時間ほどかかっています。林明子さんの絵はこの本でも素晴らしく、特に玉子やサランラップなど、透明なものの表現には目を見張ります。読むとパンづくりをしてみたくなる、魅力に富んだ一冊です。小学校低学年向き。

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