2011年6月3日金曜日

おどりトラ












「おどりトラ」(金森襄作/文 鄭香/絵 福音館書店 1997)

山をこえた、そのまた山奥に、たくさんのトラが住んでいました。そのなかに、ひまさえあれば踊りをおどっているので、「おどりトラ」と呼ばれているトラがいました。あるとき、おどりトラは、みんなが獲物の鳥を追っている最中に踊りだして、獲物を逃がしてしまいました。そのため、仲間たちから山を追われてしまいました。

さて、山を追われたおどりトラは、一所懸命踊りの腕を磨き、不思議の力を得るようになります。踊ると、大漁豊作になり、病気の子どもも治るのです。踊り上手になったおどりトラの手足は、笛や太鼓の音が聞こえると、ひとりでに踊りだすまでになります──。

韓国・朝鮮の昔話をもとにした絵本です。このあと、おどりトラは昔の仲間がなつかしくなって山にもどり、仲間たちもおどりトラを歓待するために、ごちそうの人間をみつけて木の上に追いつめるのですが──と、物語は続きます。木に登った人間を、はしごをつくって追いつめるあたりから、本をタテにして読む体裁になります。絵は、朝鮮風というのでしょうか。踊りの好きなトラがユーモラスにえがかれています。小学校低学年向き。

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