2011年3月31日木曜日

ごちゃまぜカメレオン












「ごちゃまぜカメレオン」(エリック・カール/作 やぎたよしこ/訳 ほるぷ出版 1978)

緑色の葉っぱに、小さな緑色のカメレオンがいました。カメレオンは、茶色の枝にうつると茶色っぽい色になり、赤い花の上で休んでいるときは、赤っぽい色になりました。ある日、カメレオンが丘の上にのぼって下を見下ろすと、そこには動物園がありました。美しい動物たちをこんなにたくさんみたのは、生まれてはじめてでした。

自分がちっぽけで、のろまで、弱虫だと感じるカメレオンは、ホッキョクグマのようになりたいと思います。すると、カメレオンのからだは、ホッキョクグマのように大きく白くなります。それから、フラミンゴみたいになれたらいいなあと思うと、からだからピンクの翼と長い脚が生えてきます。キツネみたいに、魚みたいに、シカみたいに、キリンみたいに、カメみたいに、ゾウみたいに、人間みたいになりたいと思ったカメレオンは、だんだんわけのわからない生きものになっていきますが、そこに一匹のハエがあらわれて──。

名高い絵本作家、エリック・カールの代表作の一冊です。さまざまな動物たちの特徴がどんどん足されていくさまが、ユーモラスにえがかれています。「この絵本は、何百人もの作家(子ども)たちが協力してつくりあげたのです」と、エリック・カールはいっていますが、子どもたちはカメレオンがごちゃまぜになっていくたびに、歓声をあげたのではないかと思います。似た絵本に、「ストライプ」(デヴィッド・シャノン/作 清水奈緒子/訳 セーラー出版 1999)や「じぶんだけのいろ」(レオ=レオニ/作 谷川俊太郎/訳 好学社 1978)がありますので、読みくらべてみるのも面白いでしょう。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿