2011年3月7日月曜日

ねずみのけっこん

「ねずみのけっこん」(ジュディス・デュプレ/文 ファブリシオ・ヴァンデン・ブレイク/絵 晴海耕平/訳 童話館 1994)

昔むかし、とても美しい娘をもったネズミの夫婦がいました。夫婦は、なにが起こるかわからないことでいっぱいの世の中へ娘がでていくことを思うと、とても心配になりました。そこで、美しい娘のために、娘と同じくらい気高く頼もしい、申し分のない夫をみつけることにしました。

ネズミ夫婦は、まず水平線に顔をだしたお月さまに、「この世で一番頼もしくて強いかたはどなたでしょうか?」とたずねます。「それはもちろんお日さまですよ」と、お月さまはこたえます。そこで、ネズミの夫婦は、娘をシダの葉でよそおい、お日さまのところにいくのですが、お日さまは、「雲は私の光をさえぎる。雲がいちばん強い」といいだします──。

マヤ族の昔話をもとにした絵本です。巻末の「作者から」によれば、このお話はメキシコ、チァパス州の多雨林地帯に住む、コール・インディオによって語られてきたそうです。このあと、ネズミは、雲、風、壁、そしてネズミを訪ねていきます。ほとんど日本の「ねずみ女房」と同じ話であることに驚かされます。でも、絵は多雨林地帯につたわる話らしく、いささか味の濃いものになっています。小学校低学年向き。

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