2013年1月10日木曜日

ハリネズミかあさんのふゆじたく












「ハリネズミかあさんのふゆじたく」(エヴァ・ビロウ/作 佐伯愛子/訳 フレーベル館 2007)

ハリネズミの夫婦には、元気な男の子が10匹いました。おかげで、ハリネズミ母さんには、休むひまなんてありませんでした。毎日毎日、ぼうやたちのツンツンした毛にブラシをかけたり、鼻をかんでやったり、立派なハリネズミになるようにしつけをしたりしていました。

さて、夏のあいだ、はだしで丘を駆けまわっていたぼうやたちでしたが、秋になり、冷たい雨が降りだすと、はだしの足は毎日びしょ濡れ。おかげで、ぼうやたちはカゼをひいてしまいます。そこで、ハリネズミ母さんは、冬がくる前に、ぼうやたちの靴をそろえようと思うのですが──。

作者のエヴァ・ビロウはスウェーデンのひと。19×16センチの小振りな絵本で、絵は赤、青、黒の3色。赤を中心にしたページと、青を中心にしたページが交互にくる構成になっています。シンプルで、洗練され、かつ親しみやすい、大変みごとな絵柄です。このあと、子どもたちの靴をつくるため、ハリネズミ母さんは、しまいこんでいたヘビの皮を、ウサギのところにもっていきます。ウサギは、歯でヘビの皮を切ってくれるのですが、あいにく10足ぶんしかとれません。皮を靴のかたちにするために、キツツキにクギを打ってもらうと、クギは5足分しかなく──と、お話は続きます。結末も気が利いている、じつに素敵な一冊です。小学校低学年向き。

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