2013年1月18日金曜日

しっぺいたろう










「しっぺいたろう」(香山美子/文 太田大八/絵 教育画劇 2000)

旅の坊さんがある村にやってきました。秋のとり入れがすんだばかりなのに、村のひとびとは皆うつむいていました。訳をたずねると、村のばあさまが、「この村では、とり入れがすむと、山の社の神様に娘をひとりとられますじゃ」といいました。

「これはきっと化け物のしわざにちがいない」と、坊さんは山の社にいき、様子をうかがいます。すると、真夜中をすぎたころ化け物たちがあらわれます。化け物たちは、「しっぺいたろうはおるまいな」と、あたりを見回してから踊りだします──。

「日本の民話えほん」シリーズの1冊です。太田大八さんは、「やまなしもぎ」などをえがいたひと。この絵本でも、物語をよくつたえる、みごとな仕事をしています。さて、このあと坊さんは、化け物たちが怖がっていた「しっぺいたろう」をさがしにでかけます。丹波の国に着き、くたびれ果てて、道の地蔵さまのわきで眠っていると、「しっぺいたろう」という声が聞こえてきます。坊さんが目を開けると、目の前に子ウシのような白い大きな犬がいます。しっぺいたろうは、ひとではなく犬だったのです。坊さんは、飼い主のじいさまと孫からしっぺいたろうを借り、村にもどって──と、お話は続きます。小学校低学年向き。

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