2013年1月22日火曜日

ゆきのプレゼント












「ゆきのプレゼント」(ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ/文 ライナー・チムニク/絵 矢川澄子/訳 童話屋 1986)

ダコタのちっちゃな古い田舎の家に、ちいばあさんと、ちいじいさんという、ちっちゃなお年寄りの夫婦がすんでいました。ニワトリが少しいるほか、2人はほんとに2人ぼっちでした。外は毎日雪降りで、「あんたとニワトリだけだなんて、さびしいったらありゃしない。大勢呼んでパーティーでもしたいのに」と、ちいばあさんはいいました。

ラジオでは、KMベーカリーのコマーシャルをやっています。「次のパーティーには、KMのチョコレート・ケーキをどうぞ。コツコツ・コッコッコ。これがKM配達人の合図です」。風がひどくなったかと思うと、電線が切れたらしく、ラジオも明かりも消えてしまいます。ちいばあさんがローソクに火をともし、ちいじいさんがヒヨコを家に入れるため、鳥小屋にでかけると、だれかがドアをノックして──。

文章を書いたベアトリス・シェンク・ド・レーニエは、「ともだちつれてよろしいですか」の作者。絵を描いたライナー・チムニクは、「クレーン男」などの作者として、それぞれ高名です。チムニクは、この絵本でもその簡潔な線で、独特の世界をつくりだしています。さて、ちいばあさんが玄関にでてみると、そこには男のひとがひとり立っています。雪で車が立往生してしまったという男のひととその家族を、ちいばあさんは喜んで招き入れます。そのあと、車3台ぶんのひとたちと、バスの運転手とその乗客と、ちいじいさんがはこんできたヒヨコがやってきて、うちのなかはとてもにぎやかになり──と、お話は続きます。最後は大変盛り上がる、愉快な読物絵本です。小学校中学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿