2012年10月19日金曜日

ノアのはこ船











「ノアのはこ船」(ピーター・スピアー/作 松川真弓/訳 評論社 1986)

あらそいごとを尻目に、神の恵みをうけて暮らしていたノアは、神の言葉を聞き、巨大な箱船をつくりました。箱舟には、家族と、たくさんのつがいの動物たちを乗せました。そのうちに、大雨が降り、大洪水が起こって、地上のものをなにもかも呑みこんでしまいました──。

ノアの箱船伝説をもとにした絵本です。ほとんど文字がなく、お話はコマ割りされた絵によって進みます。本書には、ノアが神の言葉を聞く場面はありません。ブドウをつくっていたノアは、突然巨大な箱船をつくります。おそらく、お話は自明のものとされているのでしょう。見所は、大変よくえがかれたディティールです。草食動物は歩いて船に乗りますが、肉食動物はオリに入れてはこびこまれます。箱船のなかは、動物たちの排泄物だらけ。船内には、池がつくられていて、カバや水鳥が暮らし、ビンのなかにはさまざまな虫が飼われています。そして、箱船はついにアララト山頂に到着。箱船は打ち捨てられ、ノアはまたブドウづくりにはげみます。小学校中学年向き。

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