2011年10月12日水曜日

はだかの王さま












「はだかの王さま」(アンデルセン/作 バージニア・リー・バートン/絵 乾侑美子/訳 岩波書店 2004)

昔、ひとりの王さまがいました。王さまは新しい服がなによりも好きで、きれいに着飾るためなら、時間もお金も少しも惜しいと思いませんでした。ある日、はた織りと名乗る2人の男がやってきました。2人は、自分たちはこの上なく美しく素晴らしい模様の布を織ることができ、しかもそれは魔法のような布で、この布でつくった服は役目にふさわしくない者や、ひどく愚かな者にはけっしてみることができないのだといいました。美しい服がみえるのは、賢くて役目にふさわしい者だけなのです──。

「そんな魔法の布で新しい服をつくらせれば、家来のうちでだれがその役目にふさわしいか、だれが利口でだれが愚かなのか、たちまちわかるというものだ」。そう考えた王さまは、2人にどっさりお金をあたえ、さっそく仕事をはじめるように命じます──。

ご存知、アンデルセンの童話「はだかの王さま」をもとにした絵本です。カバー袖の文章によれば、作者のバートンの父親はこの話が好きで、よく子どもたちに読んでくれたそうです。この原作を絵本にするには、さまざまなやりかたがあるでしょうが、バートンがとった方法は、大勢の群衆をだすことでした。おかげで、にぎやかで上品な、楽しい読物絵本になっています。小学校中学年向き。

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