2013年7月1日月曜日

まどのそとのそのまたむこう

「まどのそとのそのまたむこう」(モーリス・センダック/作 わきあきこ/訳 福音館書店 1983)

船乗りのパパは海におでかけしました。ママは、あずま屋に腰を下ろしました。アイダは、赤ちゃんに魔法のホルンを吹いてあげました。でも、赤ちゃんのほうをみないで吹いていたので、ゴブリンたちがやってきて、氷の人形をおいて赤ちゃんをさらっていってしまいました。

アイダは氷の人形を抱きしめます。氷がぽたぽたと溶けだしたので、赤ちゃんがさらわれたことに気がつきます。「ゴブリンたちが盗んだんだわ! お嫁さんにしようと思ってるのね!」と、アイダはかんかんに怒って、ママの黄色いレインコートにくるまり、ポケットにホルンを突っこんで、ゴブリンたちを追いかけようとします。でも、後ろ向きに窓枠を越えたアイダは、窓の外のそのまたむこうにいってしまい――。

「かいじゅうたちのいるところ」の作者として高名な、センダックの作品です。絵は大変な濃厚さ。このあと、アイダはふわふわと飛んでいき、ゴブリンたちの洞窟を通りすぎてしまうのですが、遠い海からパパの歌が聞こえてきてくるりと振り向き、ゴブリンたちの結婚式入りこみます――。絵もお話も、さまざまな暗示に満ちていて、とても読み終えることのできない、不思議な一冊となっています。小学校中学年向き。

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