「おおきなもののすきなおうさま」(安野光雅/作 講談社 1976)
昔、あるところに、大きなものの好きな王様がいました。王様はなにしろ大きなものが好きでしたから、屋根よりも高いベッドでお目覚めになると、プールのような洗面器で顔を洗い、庭のような広いタオルで顔をふいて、やっと一日がはじまるのでした。
大きなものが大好きな王様のお話です。王様が目覚めた場面では、ブラシの部分が背丈ほどもある歯ブラシを、従者の2人がもってきます。食事の場面では、部屋に入りきらないほど大きなギターがかき鳴らされます。ただ大きく描くのでははなく、力学的なことを考慮しながらナンセンスな絵柄になっているところは、安野さんならではでしょう。また、大きなものが好きな王様でも、どうにもならないものがあるというラストも洒落ています。細かいところを見ていくのが楽しい絵本です。小学校低学年向き。
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