2011年2月28日月曜日

サムリまめをとりかえす











「サムリまめをとりかえす」(よしざわようこ/再話 チャイヤン・コウキャウ/絵 「こどものとも年中向き」2006年10月号通巻247号 福音館書店)

タイの小さな村に、サムリという男の子が、おじいさんとおばあさんと一緒に住んでいました。ある日、おじいさんとおばあさんは、サムリに留守のあいだマメ畑を見張っているように頼みました。はじめのうち、サムリはせっせとカラスを追い払っていました。ところが、やってきた友だちと遊んでいるうちに、畑のマメは根こそぎカラスにとられてしまいました。帰ってきてがっかりしているおじいさんとおばあさんをみて、サムリは、「マメをとり返してくるからね」といいました。

サムリがしばらく歩いていくと、マメをとったカラスがいます。そこで、通りがかった猟師に弓矢で射ってとお願いするのですが、「これからちょっとひと休み」と、猟師に断られてしまいます。そこで、今度はネズミに、猟師の弓矢をかじってくれと頼むのですが、「弓矢はすこしもおいしくないもの」と、断られてしまいます。そこで──。

タイの昔話をもとにした絵本です。絵は、14世紀から北部タイで栄えたという、ランナー様式で描かれたもの。サムリはこのあと、ネコ、イヌ、カナヅチ、たき火、川、土手、ゾウにお願いするのですが、ことごとく断られてしまいます。ですが、最後、ハチがお願いを聞いてくれたところから、物語は急転直下、一気にラストに突き進みます。最後のどんでん返しがじつに楽しい昔話絵本です。小学校低学年向き。

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