2011年2月9日水曜日

チムとゆうかんなせんちょうさん












「チムとゆうかんなせんちょうさん」(エドワード・アーディゾーニ/作 せたていじ/訳 福音館書店 2001)

海岸の家に住むチムぼうやは、船乗りになりたくてたまりませんでした。お天気の日には、浜にでて、ボートに乗って遊んだり、仲良しのボートのおじさんと話をしたりしました。寒い日や、雨降りで浜辺で遊べないときは、マクフィー船長のところへでかけました。すると船長はいつも、航海の思い出話をしてくれました。

ある日、ボートのおじさんが、「沖に泊まっている汽船まで、わしのモーターボートで乗せていってやろう」といいました。汽船に連れていってもらったチムは、「ぼくがかくれていれば、ボートのおじさんはぼくのことを忘れて帰ってしまうぞ」と思いました。そして、チムが思ったとおり、ボートのおじさんはチムを汽船におきっぱなしにして帰ってしまいました──。

名作として名高いチムシリーズ(全11巻)の第1作目です。このあと、汽船の船長にみつかったチムは、大いに怒られ、甲板そうじを命じられます。チムはさんざん泣いて、もううちを逃げだしたりするもんじゃないと思いますが、いつも喜んで仕事を手伝ったので、船員たちからすっかり気に入られます。が、ある日嵐がきて…と、ストーリーは続きます。「やあ、ぼうず、こっちへこい。泣くんじゃない、勇ましくしろよ」という、勇敢な船長が印象的です。また、古典的名作らしく、最初から最後までストーリーがよく整っています。もちろん、アーディゾーニの絵も素晴らしいものです。小学校低学年向き。

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