2013年5月24日金曜日

むらの英雄















「むらの英雄」(クーランダー/原作 レスロー/原作 わたなべしげお/文 にしむらしげお/絵 瑞雲舎 2013)

昔、アディ・ニハァスという村の12人の男たちが、粉をひいてもらうために、マイ・エデカという町へいきました。その帰り道、森のなかを通りがかったとき、ひとりの男が、仲間が12人そろっているかどうか気になりはじめました。そこで、みんなを呼びとめて人数を数えましたが、自分を数え忘れたため、11人しかいませんでした。

「大変だ! だれかがいないぞ」というわけで、こんどは別の男がみんなを数えます。でも、この男も自分を数え忘れたので、やっぱりひとりいないということになり──。

エチオピアの昔話をもとにした絵本です。奥付によれば、本書はペンギン社から1983年に出版されたものの新装版。お話は、「山の上の火」(岩波書店 1963)のなかの1編、「アディ・ニハァスの英雄」をもとにしたもののようです。絵は、黒青赤の3色をつかった版画風のもの。シンプルな絵柄が昔話らしさをかもしだしています。このあと男たちは、いなくなった男は道に迷い、ヒョウに食われてしまったのだと話しあいます。「ものすごく大きなヒョウだったなあ」「あいつは武器ももたないで勇敢にたたかったじゃないか」などと、失った仲間のことを悲しみながら村にもどると──と、お話は続きます。なんとも間の抜けた、それでいて愉快な一冊です。小学校低学年向き。

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