2013年5月31日金曜日

沖釣り漁師のバート・ダウじいさん















「沖釣り漁師のバート・ダウじいさん」(ロバート・マックロスキー/作 わたなべしげお/訳 童話館出版 1995)

バート・ダウじいさんは、沖釣りの漁師でした。年をとって引退しましたが、まだ2そうの舟をもっていました。そのうちの1そうは、もう古くてあちこちから水がもれるので、真っ赤に塗って前庭に置きました。そして、舟べりまでたっぷり土を入れて、夏にはゼラニュームとスイートピーを植えました。

もう1そうは、うごいたり止まったりする気まぐれエンジンのついた《潮まかせ号》でした。やっぱり水もれがしましたが、バートじいさんはひまさえあれば、この自慢の舟の手入れをしました。ペンキ塗りを頼まれるたびに、残ったペンキをもらってきて《潮まかせ号》に塗っていたので、《潮まかせ号》は大変カラフルになりました。

さて、ある朝、いつものように気短かな妹に起こされたバートじいさんは、朝食をとると、友だちのおしゃべりかもめと一緒に沖にでます。そこで、釣り糸をたらすと、思いがけないものがかかって──。

「サリーのこけももつみ」「すばらしいとき」などで知られるマックロスキーによる絵本です。絵は、明快な色づかいの水彩。海の感じがじつに素晴らしいです。さて、バートじいさんの釣り針にかかったのは、なんとクジラの尻尾でした。じいさんはなんとかクジラをなだめ、針をはずし、穴の開いたところにバンソウコウを貼ってやります。ところが、にわかに天気が悪くなり──と、バートじいさんの冒険はまだまだ続きます。小学校中学年向き。

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