2012年8月18日土曜日

うできき四人きょうだい









「うできき四人きょうだい」(フェリクス・ホフマン/作 寺岡 寿子/訳 福音館書店 1997)

昔、貧乏な男に4人の息子がいました。4人が大きくなると男はいいました。「わしには、おまえたちに分けてやれるようなものはなんにもない。だから、よその土地へいって仕事をおぼえてくるがいい」。そこで、4人は杖をもち、お父さんに別れを告げて、一緒に町をでていきました。道が4つに分かれているところにくると、一番上のお兄さんがいいました。「4年たったら、またここで会おう。そのあいだ、めいめい運だめしをするんだ」。そして、4人はそれぞれの道へ分かれていきました。

さて、一番上のお兄さんは泥棒に出会い、この男のところで腕利きの泥棒になります。2番目のお兄さんは、腕利きの星のぞきに、3番目のお兄さんは腕利きの狩人に、そして、一番末の弟は、腕利きの仕立屋になります──。

「おおかみと七ひきのこやぎ」など、数かずの優れた絵本を残したホフマンによる一冊です。原作はグリム童話。さて、このあと故郷にもどってきた息子たちの腕前を、お父さんは試します。木のてっぺんにあるアトリの巣にタマゴはいくつあるか。2番目の兄さんが望遠鏡でタマゴの数をかぞえ、1番目の兄さんが親鳥に気づかれずにタマゴを盗みだし、3番目の兄さんが1発の銃弾で5つのタマゴを割り、末の弟がタマゴも、タマゴのなかのヒナもすっかり縫いあわせます。そして、1番上の兄さんがタマゴを巣にもどし、2、3日すると、首すじに縫いあわせたあとの、赤いすじがついたヒナがかえります。それからまもなく、王様のお姫さまが竜にさらわれて、4人はいまこそ腕のみせどころと、お姫さまを助けにいき…と、お話はまだまだつづきます。小学校中学年向き。

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